1989年ドラフト入団選手で打線組んだ

1989年ドラフト入団選手で打線組んだ

1989年ドラフト入団選手チーム

1989年ドラフト入団選手で打線組んでみた。この年のドラフトは投手が豊富で1位指名を受けた投手は軒並み活躍している。一方の野手1位は大森剛(巨人)、佐藤和宏(オリックス)、元木大介(ダイエー)の3名であったが元木が入団拒否、残る2人もドラ1指名の期待を裏切る結果となった。投手重視のドラフトとはいえスタメンにドラ1野手がいない事態となった。
wikipedia 1989年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)

1989年ドラフト入団選手チーム

予想オーダー

# P PLAYERNAME DR Y AVG HR RBI SB OPS
1 新庄剛志 神5 00 .278 28 85 15 .812
2 種田仁 中6 05 .310 9 61 7 .794
3 前田智徳 広4 05 .319 32 87 1 .923
4 石井浩郎 近3 94 .316 33 111 1 1.001
5 古田敦也 ヤ2 92 .316 30 86 3 .997
6 吉岡雄二 巨3 01 .265 26 85 2 .847
7 平塚克洋 洋3 97 .293 17 68 0 .805
  井上一樹 中2 99 .296 10 65 2 .781
8 南渕時高 ロ4 96 .264 5 38 7 .688
9 馬場敏史 ダ5 95 .262 1 33 4 .648

ベンチメンバー

P PLAYERNAME DR Y AVG HR RBI SB OPS
浅井樹 広6 00 .300 13 46 5 .857
大塚光二 西3 92 .340 0 12 4 .793
宮地克彦 西4 05 .311 3 36 1 .752
佐藤和宏 オ1 90 .331 1 8 3 .803
藤立次郎 近4 96 309 9 21 1 1.038
種田は横浜、吉岡は近鉄、平塚は阪神、
馬場はオリックス、宮地はソフトバンクでの成績。
(共通事項)DR=ドラフト球団と順位、Y=年、赤文字=リーグトップ
(打者成績)AVG=打率、HR=本塁打、RBI=打点、SB=盗塁

打順考察

上位打線

1番・新庄はご存知スーパースター。縦横無尽のセンター守備力もピカイチで、華のある豪快な一撃で流れを一気に引き寄せる。成績は日ハム時代の04年と甲乙つけがたかったが、1番に座るための脚力を備えた阪神00年を優先。ドラフト入団した球団というのも手伝った。2番はガニマタ打法の種田。対してこちらは晩年の横浜の成績を採用。上宮高の同僚・元木大介がダイエー1位の指名を蹴ったため揃い踏みとはならず。クリーンナップも個性的で「孤高の天才」前田智徳、いてまえの4番「拝啓」石井浩郎、「ID野球の申し子」古田敦也が並んだ。前田は脚力も備えた若手時代も迷ったが、アキレス腱の怪我を乗り越え、全146試合左翼で先発出場を果たした年を採用。

下位打線

さらに6番は「リアル野球BAN」で有名な、大阪近鉄リーグ優勝時の「いてまえ打線」の吉岡。この吉岡、実は複数交換トレードで巨人から近鉄に移籍しているのだが、その時の交換相手が石井浩郎、縁を感じる。巨人で燻っていた吉岡は移籍先の近鉄で開花し6年連続2桁本塁打の成績を残す。対する石井は巨人移籍後はパっとせず、このトレードは(石井の年俸調停が発端とはいえ)結果的にバファローズの一人勝ちとなった。石井・吉岡いずれも全盛期が近鉄時代なのだから、近鉄ファンは笑いが止まらなかっただろう。

7番の外野の一角は非常に熾烈な争い。キャリアハイの成績だと平塚だが、通算成績は井上の方が勝る。両者での左右併用がいいだろう。他にも「リストラの星」と呼ばれた苦労人の宮地。浅井・大塚・パンチ佐藤・藤立の4名は規定不足ながら好成績を残しファンの印象に残った。

サード・ショートは堅実な守備に定評のある馬場・南渕を配置した。共に巧打堅守の内野手。打撃優先でサード石井、ショート種田にもできたが、石井は本来指名打者で守備も一塁がメインのため無理がある。また種田をショートにしたところで南渕がセカンドに回るだけなので、種田は打撃を優先し彼をセカンドに置いた。

総括

上位打線・下位打線、それぞれの役割がはっきりしており、一旦機能すると大量得点も可能な打線。個性豊かで華のある選手も多い。捕手・古田、中堅・新庄、三塁・馬場を軸に守備も盤石で、代打陣もここ一番で力を発揮する千両役者が並ぶ。その他の特徴としては投手出身者が多数いる点。吉岡、井上、宮地がプロ入り後に野手に転向している。強肩自慢の新庄・古田を筆頭にこのチーム相手に先の塁をおとし入れるのはなかなか困難に違いない。内野のバックアップは川端一彰(大洋5位)、西俊二(ダイエー4位)が控える。

投手陣

投手陣も豪華!各チームの先発の柱やリリーフエースとして活躍した選手が多数いる。

野茂英雄(近鉄1位)※8球団競合
佐々岡真司(広島1位)
与田剛(中日1位)
西村龍次(ヤクルト1位)
葛西稔(阪神1位)
佐々木主浩(大洋1位)
入来智(近鉄6位)
高橋功一(オリックス3位)
潮崎哲也(西武1位)
橋本武広(ダイエー3位)
酒井光次郎(日本ハム1位)
岩本勉(日本ハム2位)
小宮山悟(ロッテ1位)

野手寄りのサイトなので今回は羅列のみとさせていただきます(ごめん)

新人王

翌1990年の新人王はいずれも投手が受賞した。

セ・リーグ=与田剛(4勝5敗31S 防3.26)中日
パ・リーグ=野茂英雄(18勝8敗0S 防2.91)近鉄

最も成功したのはどの球団?

完全にないのは巨人、オリックス、ダイエーの3球団。1位指名した野手の失敗だけでなく、2位以下の選手で活躍できた吉岡、馬場も他球団でのもの。ワースト3は確定だろう。

まず短期的な見方でなら近鉄と言う声が大きいだろう。8球団競合の野茂英雄を引き当て新人時代の90年から5年連続20本塁打を残す石井浩郎を3位、エースと4番を即戦力で加入させたこの年の功績は大きい。左キラーで活躍した藤立、のちにヤクルトで10勝をあげた入来もこの年だ。しかしながら活躍した4人全員が他球団に移籍してしまっているのでその点がマイナス。

日本ハム(酒井・岩本)、ロッテ(小宮山・南渕)、西武(潮崎・大塚・宮地)、大洋(佐々木・平塚)、阪神(葛西・新庄)、中日(与田・井上・種田)。いずれも一軍で活躍した選手を2枚ないし3枚揃えた球団だが、Sクラスを2枚揃えた近鉄にはインパクトでは勝てないと判断した。

ヤクルトは古田個人は特S評価で1989年の指名で最もよかった指名ではなかろうか。ヤクルト一筋、キャッチャー一筋で長年ヤクルト投手陣を牽引した功績を見ても明らか。チーム全体の底上げとなり時代の旗手となった。西村も入団から4年連続で2桁勝利をあげた。1位2位の指名は完璧だったが3位以下が寂しい。

バランスがよかったのが広島だ。佐々岡と前田はSクラス。カープ一筋の主力選手として長年チームに貢献した。エースとクリーンナップだから近鉄にも引けを取らない。さらに浅井もカープ一筋でずっと一軍のレギュラー候補の位置で戦力となってきた。2位・仁平、3位・前間も短期ながら一軍戦力となり期待値はともかく失敗とも言い難い。ほぼ全員がカープでキャリアを終えたことを考えると長期的ドラフトの観点でいえば広島に軍配があがる。

以下個人的順位

# TEAM 評価
1 広島 SS前田・S佐々岡・B+浅井
2 近鉄 SS野茂・S-石井・C藤立・C入来
3 ヤクルト SS古田・A西村
4 中日 A-与田・A井上・B種田
5 大洋 SS佐々木・C平塚
6 阪神 S新庄、A葛西
7 ロッテ A+小宮山・B-南渕
8 日本ハム A岩本・B酒井
9 西武 A潮崎・C大塚・C宮地
10 オリックス B高橋・C佐藤
11 ダイエー C橋本・C西・C馬場
12 巨人 C吉岡
SS:時代を代表する選手、S:オールスタークラス
A:チーム主力、B:常時一軍
C:一時期一軍or他球団で活躍
※活躍期間や所属期間により前後する