1950年代ベストナイン

1950年代ベストナイン

戦後から長嶋登場まで

期間中(1950年〜1959年)にベストナインに選出された回数をベースに、単年成績での一発逆転もありつつ、私的ベストナインを1st・2ndチームと選出してみたよ。

まずは期間中にベストナインに2回以上の受賞者を並べて、そこから選出していきます。

歴代ベストナイン一覧(1950年代)

投手部門

#PLAYERNAMETEAM回数
1別所毅彦巨人41st
2稲尾和久西鉄22nd
2藤田元司巨人2 

1stチームには順当に別所毅彦。2ndは同数の稲尾藤田の争い。日本シリーズでの直接対決も然り、56年(稲尾)と57年(藤田)の新人王と同時期に活躍しだした投手でもある。難しい選択であったが、成績や直接対決のほか実働年数でも上回った稲尾に軍配。

捕手部門

#PLAYERNAMETEAM回数
1野村克也南海41st
1藤尾茂巨人4 
3土井垣武毎日32nd
3広田順巨人3 

野村が頭角を現したのがプロ入り2年目の56年。ここから68年まで13年連続ベストナイン、通算で19度の受賞することになるのだが、この頃のノムさんも駆け出しながら3年目にして南海の4番を任される。2nd推薦は、50年代の受賞数で言えば藤尾も捨てがたいが、3位の土井垣が40年代を合わせると計6度受賞しており、これが50年代間の1差を覆すだけの能力があると判断で土井垣を選んだ。3割をクリアしているのも大きい。

一塁手部門

#PLAYERNAMETEAM回数
1川上哲治巨人61st
2飯田徳治南海4*2nd
3西沢道夫中日3 
4榎本喜八毎日2 

順当に1位・2位を選んだ。2位の飯田は外野手部門でも1度受賞しており50年代で計5回受賞しており納得。しかし、3位のミスタードラゴンズ・西沢も見落とせない。40年には投手として20勝、50年に一塁手として46本塁打を記録しており中日の永久欠番となった。「二刀流」というよりは「コンバート大成功」の最たるものであるが20勝40本塁打はNPB史上唯一。打者単年成績をとっても素晴らしく最終的に指名打者枠として採用した。

二塁手部門

#PLAYERNAMETEAM回数
1岡本伊三美南海51st
2千葉茂巨人42nd
2井上登中日4 

セカンドは名手揃い。1位の岡本、3割を打った千葉を優先。

三塁手部門

#PLAYERNAMETEAM回数
1中西太西鉄61st
2藤村富美男大阪32nd
3長嶋茂雄巨人2 
3蔭山和夫南海2 
3児玉利一中日2 

怪童・中西は圧巻の6度選出で確定。続いてミスタータイガース藤村は2ndチームの4番。捕手の土井垣と同じく40年代の受賞数も合わせると6回受賞しており、存在感という意味では中西よりも上という意見もあるかもしれない。ミスター長島は58年の新人から連続受賞も50年代にはタイミング遅く次世代での登場を願おう。

遊撃手部門

#PLAYERNAMETEAM回数
1木塚忠助南海51st
1吉田義男大阪52nd
3豊田泰光西鉄3 
3平井正明巨人3 

バカ肩&韋駄天の木塚、牛若丸・吉田の一騎打ち。ショートというポジションの特性上、守備での逸話が多い吉田もよかったが、同様に木塚の守備の評価も高く、攻走成績で上回った木塚を1stチームに推薦。

外野手部門

#PLAYERNAMETEAM回数POS
1与那嶺要巨人71st
2大下弘東急・西鉄61st
3山内和弘毎日51st
4別当薫毎日42nd
4青田昇巨人・大洋42nd
6飯島滋弥大映3 
6杉山光平南海3 
6田宮謙次郎大阪3 
9岩本義行松竹22nd
9南村不可止巨人2 
9渡辺博之大阪2 
9関口清治西鉄2 
9戸倉勝城阪急2 
9杉山悟中日2 
9毒島章一東映2 
9金田正泰大阪2 
9森徹中日2 

全体1位は与那嶺。以降、大下山内別当青田までは受賞回数どおりで問題なく。残り1枠をどうしようか悩んだ。飯島はじめ6位の面々もそれに恥じぬ成績ではあったものの、史上初のトリプルスリーを評価しないわけにはいかない。よって岩本の2ndチーム抜擢となった。

指名打者として単年成績の優れた小鶴誠西沢道夫を推薦。長嶋茂雄も候補に挙がったが50年代としては見送り。

1950年代ベストナイン

1st TEAM

#PPLAYERNAMETYAVGHRRBISBOPS
1与那嶺要54.361106920.974
2木塚忠助50.30184778.755
3大下弘51.383266351.169
4小鶴誠50.35551161281.179
5川上哲治51.3771581141.031
6中西太西53.314368636.989
7山内和弘57.3312981101.042
8野村克也57.30230947.924
9岡本伊三美53.318197730.874
P別所毅彦5233W13L 153KE1.94

2nd TEAM

#PPLAYERNAMETYAVGHRRBISBOPS
1青田昇51.3123210522.960
2吉田義男56.29083450.759
3別当薫50.33543105341.068
4藤村富美男50.36239146211.139
5西沢道夫50.311461354.981
6岩本義行50.3193912734.956
7飯田徳治50.327239730.996
8土井垣武50.322157216.894
9千葉茂52.312106211.856
P稲尾和久西5735W6L 288KE1.37

現代人の戦後時代に対する勝手なイメージなのかもしれないが、当時強かった西鉄ライオンズを指す「野武士軍団」というフレーズが丸々当てはまるような、無骨な面々が揃った。1stチームは.350越えのハイアベレージの4人を筆頭に全員が3割越えという超強力マシンガン打線。2ndチームも負けておらず、走・攻・守とも高いレベルで機動力が特に際立っている。