1985年阪神ニューダイナマイト打線

1985年阪神ニューダイナマイト打線

阪神ニューダイナマイト打線

1985年の阪神タイガースは圧倒的破壊力を誇る打線の力で日本一を果たした。ニューダイナマイト打線、新ダイナマイト打線と呼ばれた。ラインナップは以下。赤文字はリーグタイトル。

# P PLAYERNAME AVG HR RBI SB OPS
1 真弓 明信 .322 34 84 8 .991
2 北村 照文 .262 3 19 21 .691
3 バース .350 54 134 1 1.146
4 掛布 雅之 .300 40 108 3 1.017
5  岡田 彰布 .342 35 101 7 1.057
6 佐野 仙好 .288 13 60 1 .775
7 平田 勝男 .261 7 53 6 .668
8 木戸 克彦 .241 13 32 0 .732
    弘田 澄男 .296 5 22 2 .753
    吉竹 春樹 .241 2 16 7 .660
    長崎 啓二 .283 6 25 0 .849
※P=ポジション、AVG=打率、HR=本塁打、RBI=打点、SB=盗塁、Run=得点
※赤文字はリーグ最高
YEAR MANAGER Rank AVG HR Run SB
1985 吉田 義男 日本一 .285 219 731 60

バックスクリーン三連発

巨人槇原から放った甲子園球場でのバックスクリーン三連発がこの年の代名詞ともなり、いまだに語り草となっている。ご存知クリーンナップ、バース・掛布・岡田のトリオはもはや説明不要。この3人に史上最強の1番打者の呼び声高い真弓が加わった4人がこの打線の要である。代表チームならともかく、一つの球団にOPS1レベルのバッターが4人も揃うなんてそうそうあることではない。

影の立役者、名脇役たち

6番の佐野は勝負強い打撃が特徴。守備の要であるショート平田、キャッチャー木戸まで目立ちはしないが決して安心できる下位打線ではなかった。

1985年、日本一のラインナップを阪神ファンに訪ねた時、2番バッターに誰を置くかで意見が割れることがままある。最も有力なのは北村だ。82年83年と2年連続ダイヤモンドグラブ賞を獲得するなど歴としたレギュラーであった。84年になるとベテランの弘田がロッテから加入し打率.313の好成績でレギュラーを奪う。

NAME 年齢 試合 打席 打数 得点 安打 犠打 出塁率
北村 28 114 311 256 54 67 25 .339
弘田 36 85 269 223 38 66 23 .354
吉竹 24 118 211 186 41 46 11 .300

85年の開幕から前半戦は弘田がスタメンに名を連ねることが多かったが、後半は北村・吉竹に定位置を譲った格好。西武との日本シリーズは指名打者制が採用されたため2番・指名打者で弘田が入り仕事人らしく繋ぎの役割を果たした。

吉竹はもしかしたら初代ファミスタの影響があるかも知れない。阪神をモチーフとしたTチームの2番打者が”よしたけ”という左打者。これらのデータは86年がベースではあるものの真弓・バース・掛布・岡田らの成績が85年の成績によせてあるため混同しやすいのかもしれない。

主に2番で起用された北村・弘田・吉竹の犠打の合計が59個、さらに7番・平田の犠打数も25個、8番・木戸が18個と、阪神は犠打数でもリーグ1位を記録するなど意外にも小技も多用している。彼らの仕事っぷりがあって打線爆発の相乗効果を生んだのだろう。

総括

破壊力抜群の4人だけでなく、脇役がきっちり仕事をこなした結果、日本一の打線となった。虎ファンの間で何十年も語り継がれていく伝説級のラインナップ。